ガジェット好きの建築設計事務所所員のつぶやき

ここでは日々の思ったことを深堀りします。

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設計の鍵!計画の重要性について

今日は、自身の設計についての考え方をまとめる機会があったので、その内容のメモになります。ザクっといえば計画の大切さの話です。

 

 

僕が仕事にしている設計って何かというと、何かを事前に計画することです。

どんなことでもそうですが、何かを作る時に作りながら考えながらでは時間がかかるし、後戻りもできません。

ものが出来るまでの一連の工程を大まかに計画と作業に分けたときの計画の部分が設計だと思っています。

 

作るものの規模によって計画の部分が大きいのか、作業の部分が大きいのかは変わってきますが、計画する能力は鍛えないと上手にならないものです。これは技術なので鍛えなければ上手くなりません。この技術に僕たち設計職は人件費という対価をもらっているわけです。

 

建物の設計においては、具体的に何をしているかといえば大まかには下記の3つ。

・発注者の要望を引き出し、それを設計条件としてまとめる。

・条件を元に建物の仕様を決める。

・法令を遵法し、複数の決まりをクリアしながら図面を作成する。

 

それ以外にも、外観や外観のデザインを考えること、工事費のコストマネジメントを行う、自身の設計思想を計画に盛り込むなど、基本的なプランニングもそうですが、色々な条件の引っ掛かりや制約をまとめていくことが設計の役割だと言えます。

 

また、課題解釈や相手を納得させる話し方も重要です。安全な避難や人の命に関わることにも特に注意が必要です。工事監理として行う現場の変更に対しても慎重に対応する必要があります。

 

別の視点から考えれば設計には営業力も大切です。クライアントの夢を叶えることやクライアントが考えていない視点からの提案が出来れば、一目置かれる存在になれるでしょう。

 

よくプランニングはパズルみたいだと例えられることがあります。様々なカタチのパズルをうまく組み合わせてパチッとピースがはまる感覚が楽しいという人もいますね。

 

僕にも似たような経験はありますので、そうなんでしょう。

 

個人の経験を付け加えるとすれば、そのパズルの額縁もデザインが可能です。つまり枠組みの形自体も設計の仕事に含まれていると、最近考えています。

 

パズルが納まるような外枠づくり、それはお金の話である場合もあるし、室の大きさと使われ方の関係の話でもあるし。クライアントの考え方を変えるような提案ができるのは設計の仕事かと思います。

 

それは設計の話ですが、今回の主題は計画することの大切さでしたね。

 

学生の時、自分たちで何かを作ることが多かったのですが、そのときのボスに口酸っぱくいわれたのは、小さなことでも計画するのは大事だ、ということでした。

 

器用な人はやりながら考えて、それなりのものが出来てしまいます。それが得意だという人も過去に居ました。それも良いと思いますが、事前に計画するメリットがあります。それは複数の案を考え比較ができることと、計画を何度も壊すことが出来ることです。

 

特に計画を壊すことについては普段そういったことを行わない人はすべてが無駄になる感覚があるかもしれませんが、実際には以前の重要でなかった部分が壊され大事なポイントだけが浮き彫りになり、色々自由になる感覚があります。

 

壊すと決めるときは、時間との戦いもあるので勇気が要ると思いますが、0に戻ることは無いのでいろいろ考えて先に進めない状況の方は一度案を壊すという方法を試してみてはどうでしょうか。

 

ちなみに「プランニングが趣味です得意です」という人種がいますが、そういう人は個人的にあまり信用していません。

プランニングは何時間も作って壊して作って、、、という経験をしている身からすると、好きではありますが僕には到底得意にはなれないと思います。多分一生。

 

いろいろ書きましたが、今日はここまで。